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富士マスターズ250キロレース・最終戦
ワークス・チェリー初陣を飾る
1971年10月9〜10日
 1300ccまでのTSAクラスは、ニッサンファクトリーのB110サニーによる本格的な参戦により、その様子がかなり変わってきたが、今回はそれに加えてFF機構のチェリーX−1がデビューした。ベース車は2ドアタイプであり最近発売されたクーペモデルでは無い。日産自動車としては初のFF車ということもあり実に11ケ月という長いテストランをへてのレース参戦である。それでもサスペンション系はまだベターな状態とはいえないため、エンジンをサニー1200より高度にチューニングしてきた。1270ccにボアアップされたエンジンにはウェーバーキャブではなくルーカス・フェールインジェクションが装着される。このインジェクションはGTR(PGC10)に用いられているタイプとほぼ同一型式でトルクの向上も大きいようだ。
 トヨタ勢ではパブリカに乗る鑓田が自己ベストをマークし日産勢の中に食い込み、五十嵐と菅原のホンダ1300クーペの2台も中位を占め決勝に期待がかかる。
 前日の予選はドライ路面で行われたが、決勝当日は朝から雨、雨の量はたいしたことはないが、それでもやむことはなくスタート時間を迎えた。
 第1列には中に2台のサニーをはさんで、チェリーが2台といずれも日産車、スタートではこの両端の2台のチェリーがサニーをはさみうちするように前に出ていく、20台のうち1台も出遅れるマシンはない。2周目に長谷見のチェリーがアクセルリンケージトラブルでピットインし遅れるが、アベック走行でトップを走る黒沢と都平のチェリーは2分20秒くらいのラップで快調に飛ばす。3位に上がってきた鈴木のサニーとの差は早くも30秒近くも開いている。
デビユーを飾ったチェリーX−1
 セカンドグループ争いに加わるかにみえた鑓田のパブリカはエキゾーストパイプが外れ脱落。中盤の見せ場はホンダの五十嵐、サニーの辻本、カローラの中野の4位争いだった。この争いに2周遅れの長谷見チェリーが一緒に走り、ホンダの五十嵐をヘアピンでおさえ辻本を先行させようとするが、インを突いた辻本はスピン!少し遅れていた中野にまで抜かれてしまった。
 レースは雨も味方につけ初めから有利にたったチェリーの黒沢と都平がほとんど並ぶように1.2位でゴールして、チェリーのデビュー戦を飾った。
 そして3位でゴールした鈴木誠一のサニーがポイント5を確保し、’71年TSAクラス・チャンピオンを獲得した。
チェリーにはルーカス・フューエルインジェクション
富士スピードウェイ・30度バンク使用 6kフルコース
TSAレース
1971年10月9〜10日
TSAレース予選結果(出走20台) TSAクラス・レース結果(20周)
 1 12 長谷見昌弘 ニッサンチェリー 2’13.18  1 11 黒沢元治 ニッサンチェリー
.  9 辻本征一郎 サニー1200クーペ 2’13.50 . 10 都平健二 ニッサンチェリー
.  8 鈴木誠一 サニー1200クーペ 2’13.63 .  8 鈴木誠一 サニー1200クーペ
. 11 黒沢元治 ニッサンチェリー 2’13.77 . 15 五十嵐 悟 ホンダ1300クーペ
 5  5 鑓田 実 パブリカ1200SL 2’14.64  5  1 中野雅晴 カローラクーペ
. 10 都平健二 ニッサンチェリー 2’16.16 .  9 辻本征一郎 サニー1200クーペ
.  7 新井鐘哲 カローラクーペ 2’16.58 .  6 菅原義正 ホンダ1300クーペ
.  6 鈴木恵一 カローラクーペ 2’17.99 .  3 藤田直広 カローラクーペ
.  3 藤田直広 カローラクーペ 2’18.48 .  5 鑓田 実 パブリカ
10  1 中野雅晴 カローラクーペ 2’18.66 10 21 丸山紀男 共石スプリンター
. 15 五十嵐 悟 ホンダ1300クーペ 2’19.15 . 19 斉藤 武 カローラクーペ
.  2 玉川亜美 ゼネラルスプリンター 2’21.90 . 12 長谷見昌弘 ニッサンチェリー
. 16 菅原義正 ホンダ1300クーペ 2’22.47 . 22 一ツ山 康 サニー1200
. 21 丸山紀男 共石スプリンター 2’24.08 .  2 玉川亜美 ゼネラルスプリンター
15 26 田畑米道 ジャパレンスプリンター 2’25.54 15 18 中村正和 パブリカ
 同日行われたTSBレース(TS−U)ではスカイラインGTRの高橋国光が2’01.62でポールポジション。決勝レースはスカイラインGTR黒沢元治が優勝。いつ?ロータリー車がGTRを破るかが注目されていた時期。
 TSーUクラスと混走ではあるがTS−Tは田沼昭雄の510ブルーバードが2’16.62でポールポジション。決勝レースは清水省一の510ブルーバードが優勝。
 2座席レーシングカーと混走だが、柳田春人のフェアレディ240Zが2’01.42で予選総合11位、ハコ車の中でトップ。決勝レースも雨が幸いしたとはいえ純レーシングカーにまじり総合5位に入る健闘をみせた。

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